匂いのはなし

おはようございます。いまは午後6時なんですが、先ほど起床しました。

 

僕が起きた時間が、朝です。

 

昔のことを思い出してちょっぴりノスタルジックな気持ちになったので、ブログを書いてみます。

 

僕は「夕方の外の匂い」がとても好きなんですけど、これがいったい、どういう匂いかというと、たとえば、勉強や仕事なんかで、一日中、屋内にずーっと閉じ籠ったあとの夕方の、日が落ちかけて外が暗くも明るくもない時間に、ごろごろと窓を開けた瞬間の、外の空気がふわっと室内に入って来たときの、あの瞬間の、あの匂いです。

 

…伝わるのかな。別に、伝わらなくても、いいんだけれど。

 

書いてて思ったんですけど、僕が好きなのは「匂い」だけじゃないかもしれない。くわえて、そのときの気温だったり、明るさだったり、空の色、だったりする。そう言うもの全部をひっくるめた、「あの感じ」が好きなのである。

 

ところで、「匂い」ってどういう意味の言葉だろうと思ってネットで調べたら、

 

" 1. 赤などのあざやかな色彩が美しく映えること。視覚で捉えられる美しい色彩のこと。2. 空気中を漂って来て嗅覚を刺激するもの。(wikipediaより) "

 

とのことです。匂いといえば嗅覚の言葉と思い込んでいたんですが、実は本来、視覚的な意味のほうが主らしい。

 

"近年では、後者の意味で用いることのほうが増えている。"

 

だって。

 

結局、僕の好きな「あの感じ」は、「あの匂い」、と表現しても、あながち間違いではなかったということかな。

 

ところで、惜しいのは、僕の好きな「あの匂い」は、ほんの一瞬しか体感できないところ。そして、思うのは、「あの匂い」はきっと科学的に定義することが出来ない、人間に独特の「存在」なのではないかと思います。

 

時間的にはたったの一瞬しか感じることができないんだけれど、他人と共有することができない自分独自のものかもしれないんだけれど、はっきり言い表すことはできないんだけど、そこに確かに「ある」。そんな気がします。

 

こういうものをもっとたくさん見つけていきたいし、大切にしていきたいなあと思っています。

 

 

ところで、どうして僕がこんな話をするのかと言うと、今朝(午後6時頃)、目が覚めたとき、夢うつつのなかで、ぼんやりと「ああ…この感じ…懐かしいな」という気持ちになったからです。

 

昨日はどうやら窓を開けたまま寝てしまったようで。目が覚めて一番に僕が感じたのは、4月の夕暮れの空気の匂い、そして、窓の隙間から差し込むオレンジ色の夕日の明るさ。

 

大学のとき、元気がなくなってしまったことがあって、バイトもせずに、毎日のように夜中、本を読んだり、散歩をしたり、ネットをしたりして過ごして、空があかるくなってきたら寝るという生活をしていました。

 

そんなふうにして延々と夜の世界をくらしていた時期があるんですけど。そのころは、目が覚めてから活動を始めるのが、ちょうど夕方くらいで、今朝(午後6時頃)起きた瞬間の匂いが、あの頃よく感じていた「匂い」と似ていて。

 

さっき「匂い」について調べたとき知ったんですけど、匂いというのは、他の感覚と比べて特別に「記憶」との結びつきが強い、ということが科学的に明らかになっているそうです。

 

ふむ確かにそうだなという気がします。自分が、過去のことをふっと思い出す瞬間、そのトリガーになっているのは「匂い」であることが多いです。

 

 

そんな感覚を巧みに表す、僕の大好きな曲があるのを思い出しました。

 

youtu.be

" 突き刺す十二月と伊勢丹の息が合わさる衝突地点

少しあなたを思い出す体感温度"

 

 

いい曲だなーほんと。