星流れのはなし
どうしてこんなことになってしまったのだろう。
無数の光が、頭上から足下にかけて、重力の加速度にしたがって降り注ぐ。
空は急速に高度を落とし、今にも手の届きそうな距離まで接近している。
いくつもの星が連なって、ゆっくりと流れてゆく。
どうしようも、なかった。
その結果にはいくつもの理由があった。
それらいくつもの理由がその結果を支えていたはずだった。
けれど、どんなにその理由を取り払っても、結果は依然としてその場にあり続けた。
否定されることなく。
それらは本当の理由ではなかったのだろうか。
あるいは、結果の認識に誤りがあったのか。
転がり落ちるボールに異なる着地点が?
選び取ることが出来たのだろうか。
自分は…。
その結果を掴み取ることが出来たなら。
本当に、どうしようもなかったのだろうか…?
全身を駆け抜ける衝撃と共に眼の奥で強烈な閃光が飛び散り、すべてが真っ白になった。
着地点は赤く染まり、けたたましいサイレンの音が辺りを包んだ。