血のはなし

 

右足の親指がじんじんする。

 

僕の住んでいる部屋はいわゆるメゾネットタイプというやつで、マンションなのに部屋の中に階段があって、一階部分と二階部分が分かれているというへんてこな構造になっているのですが、今日この階段を駆け上がる際に怪我をしてしまいました。

 

原因はたぶん、メガネにある。

 

先日、メガネを無くしてしまって、どうしても生活に支障がでるので、新しいものを急遽こしらえたんですが、どうも前のメガネと比べて、視界の下部のあたりの距離感が異なっていて。そのせいか、いろいろなものを蹴っ飛ばしてしまい、最近では毎日ゴミ箱を蹴り飛ばして、ゴミをまき散らすのが職場での日課になっていました。いつか怪我するかなとは思っていたんですが、案の定でした。

 

今日は、仕事から帰宅したのち、めちゃくちゃ薄着で夜の街を散歩して、凍えながら家に帰って来たんですけど、「はー今日寒かったなー!あったかいスープでもつくろっかなー!うっひょー!テンションあがってきた!」と階段を駆け上がろうとしたとき、右足の親指の先を階段の角にガツンと強打しました。

 

親指をぶつけて皮が切れる、くらいならよかったんだけど、皮が「裂け」て、肉が「割れ」る、って感じの怪我で。

 

ぶつけた瞬間は、「あっはっは〜〜いって〜〜〜!!また足ぶつけた〜(笑)」くらいの心境だったのに、ドレドレ…と余裕ぶっこいて傷口を確認すると結構深刻にみえて、「おい、親指が、、、割れてるやんけーーーーーー!!(死)」と叫びそうになりました。

 

余談ですが、人間は交通事故にあって大けがをしたとき、自分の怪我を自認して、「助からない」と「思い込ん」でしまうと簡単に死んでしまうと聞いたことがあります。死んだ人間に、それをどうやって確かめたんだよというツッコミはあって然るべきですが、それは置いておいて、僕は日頃から、病は気から的な考えには一理あると考えているので、怪我をしたときやアクシデントに見舞われたときは、とりあえず、一旦冷静を装うのを心がけています。

 

話を戻します。傷口からじわりじわりと血が溢れ出てくるわけなんですが、僕は現在、1人暮らしで近くに頼れる人もおらず、不覚にも絆創膏やガーゼ、消毒液などもを持っていなかったので、とめどなく溢れる血を眺めながら適切な処置が思い浮かばず、はて、どうしたものかと困り果ててしまいました。

 

そうしてしばらくティッシュで傷口を軽くおさえながら、自分の人生を呪っていたんですが、そのうち、指って割れたらまたくっつくのかしら?ということが心配になってきました。親指の欠けた人生を想像してちょっぴり落ち込んだりもしたんですが、歩いたり走ったり出来るなら、ちょっぴり親指が欠けるくらい、まあ、いいか。と気を持ち直しました。欠けた理由が完全にダサいという点だけが残念でなりません。

 

次に、とりあえず後から最悪にならないように、なんとか今をマシにしなくては、と思い立ち、このとき、過去に友人が包丁で指をバックリ切っていたのを思い出したので、助けを求めました。

 

ちょっと、足の指が割れてしまったんだけど、どうしたらいいか?と。

 

そいつはかなり頼れる友人で、僕が一目も二目も置いている人物なんだけれど、期待したとおり、「米兵ならこうする」というかなり頼もしいムキムキなレスポンスを返してきてくれました。ありがたや。

 

結論としては、とにかく、止血せよ。とのことだったので、傷口を心臓より高く挙げて、つまり、地面に寝そべり、右足を高く挙げて、うつろな目で、親指を押さえ続けていたんだけど、この辺りでだいぶ出血が収まって来ました。やっぱり米軍は強い。

 

出血は収まって来たものの、今後、腫れてきたりしたら最悪だななどと思うと、不安な気持ちは拭えなくて、一応プロに消毒だけでもしてもらえたら、安心できるかもなと思い、夜間病院へ向かいました。

 

僕の向かった病院は内科専門だったようで、医師に見てもらうことは出来なかったんですけど、親切な看護師さんが怪我の様子をちょっぴり見てくれて、ガーゼを分け与えてくれました。今日は布をあてて明日改めて病院へゆくと良いと助言をうけたので、ああ、これだけでも来て良かったなと思い、帰り道にコンビニで絆創膏と消毒液を買って帰りました。

 

心配してくださる人がたくさんいて正直なみだちょちょぎれました。感謝の意味も込めて顛末をブログにまとめた次第です。みんなありがとう。おやすみなさい。